会長増田好子のコラムVOL.67 『ほめること』と『提案すること』
『ほめる』効果は、ほめた相手のやる気を出したり、善し悪しの判断力を身につけさせたり、あきらめない精神を身につけたりと、たくさんの良いことがあります。
『ほめる』ときは①具体的にほめる、②行動をほめる、③小さな成長をほめる、これら3つのことを実践するとより効果が大きく出ます。『ほめる』ときのタブーは、努力しないでもできていることをほめることです。例えば容姿、頭脳など。ただし、おしゃれが上手で容姿がステキになったことや学習をして応用が利くようになったことは、行動が伴っているのでほめるに値します。
『ほめる』の反対言葉としてよく使われるのが『叱る』ですが、叱らなくても『提案』で事が足りるので、ここでは『提案』について、お話を進めます。
『提案』する時に大切なことは①感情的な言葉を使わない、②今起こっていることに対しては提案を控える、③未来のことについて提案することです。感情的な言葉は相手をも感情的にさせ、効果が期待できません。今まさに起こっていることについて提案してもほとんど効果がありません。例えば、スマホを使っているときに、スマホをやめて学習に移行することを提案しても、なかなか聞き入れてはもらえません。回っているコマを止めるより、回る前に回し方を提案するほうが、聞き入れてもらいやすくなります。ただし、その提案は相手にとって現実より少しレベルの高いことに限ること、また提案内容を努力してほしいことと相手にとって良いことを混ぜると効果が高くなります。
例えば、今までスマホを1時間使って良いとしていた約束が守れていない、学習を決まった時間にする約束が守れていない場合の提案として、相手が冷静でスマホを使っていないときに「明日からスマホの使用を1時間半にしていいから、自分で決めた時間に学習に取り掛かってほしい。」という風に提案します。この時、大切なことは、これはあくまで提案であって決定ではないことです。そして2人で話し合い、最後は無理のない内容を相手に決めさせることです。この場合、「来週からスマホの使用を2時間にし、毎日学習する時間を決め、決めた時間プラス15分以内に学習に取り組む。」などと決められたらOKです。