教室便り1906号 2020年の大学入試制度改革とは
2020年度(2021年1月実施)より従来の大学入試センター試験に変わり、
大学入学共通テストが実施されます。
その目的は
『学力の3要素』
1.知識・技能
2.思考力・判断力・表現力
3.主体性を持って多様な人々と 協働して学ぶ態度
を評価することです。
従来の暗記中心の試験から、より思考力が求められるテストになると予想されます。
具体的に大きく変わる点は2点あります。
1点目は従来のマーク式だけだった解答方式に、一部記述の解答方式が加わる点です。
始めは国語と数学にそれぞれ小問3問程度が記述の解答に変わる予定です。
2024年度(2025年1月実施)からは他の教科にも記述の解答が導入される可能性があります。
2点目は英検などの民間のテストを活用し、
英語4技能(聞く、書く、話す、読む)を測定するテストを受ける点です。
従来の大学入試センター試験のように、
「読む、聞く」の内容のテストは1月に他の教科と同様に受験します。
それに加え、高校3年時の4月~12月の間に
受験した民間のテストのうち2回分の結果を大学に提出できるようになります。
この他にも細かな変更はありますが、この2点が特記すべき変更点になります。
この新しい大学入学共通テストは、既に2017年度、2018年度にプレテストが行われています。
新テストを受験予定の高校生はプレテストを通して、
この新しいテスト内容を事前に体験できるようになっています。
そして、このテストの内容を受けて、高校の授業も変わりつつあります。
特に英語では以前よりも、聞く、話す、授業が増えています。
また、小学校でも2020年度より英語の授業が5、6年生では教科として扱われます。
それに伴い、英語もテストが実施され、成績もつくようになります。
具体的な内容としては、小学校で学習する英単語数は600~700語を学習することになります。
中学校では、今まで学習する単語数は1200語でしたが、1600~1800語に増え、
小学生で学習する分を含めると高校受験では2200~2500語を扱うことになります。
大学入試制度改革に向けて、
まずは普段学校で受けている授業内容をしっかりと自分のものにしていくことが大切です。
そして、自宅での学習も解答や解説をみて、問題の答えをそのまま覚えるのではなく、
なぜその答えになるのかを考えながら問題を理解していくことが大切です。
高校の問題集は充実しており、解説も丁寧に書かれているものが多いです。
その解説を読んで理解できる、解説を読んで考えることで、
読解力、更には思考力が養われていきます。
一般に新傾向の問題や、難問が出題された年の入試は平均点が下がることが多いです。
多くの高校生にとって新傾向の問題や難問は対応することが難しいものです。
大学入試制度が大きく変わっても、勉強の本質は変わりません。
まずは普段の勉強の仕方を見直し、勉強をしているときに暗記中心の勉強ではなく、
「考える」、「頭を使う」機会を多くしていきましょう。