hakken.教室コラムVOL.115 公立中学生向け~効果的な冬休みの過ごし方~
塾を運営していると生徒、保護者の方から冬休みの取り組みについて、よくご相談を頂きます。
学校から出される冬休みの宿題をやればいいの?
他にしておいた方がいいことはありますか?
などなど。
冬休みの取り組み方次第で、1月以降の成果は大きく変わります。
塾での実際の取り組み事例も交え、効果的な冬休みの過ごし方をご紹介します。
冬休みに取り組むべき2つのこと
中学1、2年生の場合
一番初めに取り組むべきものは学校の宿題です。
各中学校で出される内容は、概ねこれまでの復習がほとんどだと思われます。
学校の宿題をしっかりこなしていければ、ある程度は復習がしっかりできるはずです。
まずは、年内を目途に学校の宿題を終わらせるように進めていきましょう。
やらなければいけないものは早めに終わらせると、ゆとりをもっていろんなことに取り組めるようになります。
年明けからは、1月からの学校の授業に向けた準備をしましょう。
具体的には、学校から渡されている通年で使う問題集があると思いますので、その問題集を進めて下さい。
前回のテスト後から学校の授業で進んでいる範囲は十分学習ができるはずです。
年明けの1回目の授業で、テストがあるつもりで問題集を練習してください。
そうすることで2つのメリットが生まれます。
①1月以降の学校の授業が分かりやすくなる。
②次回テスト勉強が楽になる。
これができれば、1月以降の授業やテストに予習が生まれます。
中学3年生の場合
ほとんどの地域の中学校では、12月までの定期テストで高校に提出される内申点が確定していると思います。
そのため、これからは受験勉強だけに集中して取り組める時期になります。
また、地域によっては1月中旬から私立高校の入試が始まります。
そのため、遅くとも12月までには、中学3年間の内容は学習し終わり、中学3年間の基本・標準レベルの問題はできる状態にしておきたいです。
そして、12月中に私立高校の過去問に取り組み、合格基準点を越えられるように練習をしていきましょう。
もし、中学3年間の復習ができていない場合は、私立高校の過去問演習と並行して、復習に取り組んでいきましょう。
また、地域によっては、年明けすぐにもう一度、結果が内申点に反映される定期テストがあると思います。
その地域の生徒は、年内に私立対策をある程度完了し、年末年始から学校のテストに向けての勉強に切り替えましょう。
余裕のある場合に取り組みたいこと
中学1、2年生の場合
上記内容がしっかりできて、まだまだ余裕がある。
もっとなにかしたいと思われる場合はぜひ学校の予習をしていきましょう。
学校教科書を使って予習することをおすすめします。
中学3年生の場合
私立の過去問も十分に合格レベルに達している場合は、国公立の過去問演習をしていきましょう。
年内や1月中に高校受験の準備が終わる生徒もいれると思います。
その場合は、高校の予習をしていくことをおすすめします。
高校の予習の場合は、教科書ではなく市販の参考書を使って予習をすると効果的です。
ただし、高校の予習を進めている場合でも入試直前の最低でも2週間前には、高校の予習は一旦ストップし、高校入試の総復習をもう一度行いましょう。
塾での取り組み
運営している塾では、定期テスト後は全中学生と必ず1対1の面談をしています。
加えて、冬休みなどの長期休みの前には下記シートを使って、冬休みに取り組むことについても話し合います。
このシートを事前に生徒に書いてきてもらい、書いてもらった内容を確認しながら面談をします。
このシートを使う目的のひとつは、生徒が考えていることを把握するためです。
ここにびっしりと内容を書く生徒もいれば、適当に書く生徒もいます。
生徒が書いた内容をみて、この生徒に今必要なことは何か、伝えて行動できることは何かを見極め、話をしていきます。
勉強が得意な生徒と勉強があまり得意ではない生徒ではやるべきことも、伝えるべきことも変わってきます。
勉強に積極的な生徒と勉強にあまり積極的でない生徒ではやるべきことも、伝えるべきことも変わってきます。
それを見極める一つの材料としてこのシートを使っています。
このシートは必ずびっしりと書かなくてはいけないものとしては使っていません。
いくらびっしり書いても、行動できなければ時間の浪費になってしまいます。
そのため、このシートはひとりひとりの生徒に合わせて書くレベルは変わってきます。
その生徒に合った行動できる目標を設定するために使用しています。
またテスト後の面談の内容は、テストの振り返りを生徒と一緒にしています。
最後に
ご紹介したこれらの冬休みにを取り組むことの目的のひとつは、1月以降の学校生活に余裕を持てるようになることです。
これらのことができれば、寄り道をしたり、立ち止まって考えたりする時間と気持ちの余裕が生まれます。
興味を持ったことを自分で調べる。取り組んでみる。
将来について考えてみる。調べてみる。
授業の内容で気になること、納得できなかったことを、自分で調べてみる。考えてみる。
などなど。
気持ちにも時間にも余裕があれば、考える時間が増え、興味の幅が広がる可能性が高いです。
興味の限界は思考の限界です。
思考の限界は行動の限界です。
行動の限界は成果の限界です。
興味を広げることは、自分の人生を思い通りにできる可能性を高めてくれます。
勉強はあくまで手段にしかすぎません。
しかし、勉強は自分のコントロールの仕方を学ぶ最良の手段でもあります。
自分の将来は、待っていればポッといきなり現れるものではなく、今の活動の延長にあるものだと思います。
生徒、子どもには学校生活を通して、勉強を通して、自分の興味を広げ、自分をコントロールすることを学んでほしい。
そう考えながら、日々生徒と子どもに接していきたいと考えております。